介護業

愛知・名古屋で有料老人ホーム等介護事業を営まれている経営者の方へ
虎ノ門法律経済事務所名古屋支店が介護事業の労務問題を解決

増加する人件費と残業代請求リスク

介護事業にかかる経費は提供するサービスによって異なりますが、一般に人件費率が極めて高く、経費の7割を人件費が占めていると言われています。したがって、介護施設においては、24時間365日フルタイムのサービスをいかに効率よく提供できるかという労働時間管理が特に大切になってきます。

 

ただし、効率を求めるあまりにせっかく導入した労務管理制度に不備があったり、その運用を誤ると、かえって残業代請求等の労務リスクが増大してしまい、不測の人件費が発生してしまいます。退職した社員が未払い残業代の支払いを求めて会社を訴える事案は急増しており、「辞めたら訴える」ことが当たり前に行われる時代です。介護事業はもともと労働時間が長いことも多いため、一人の社員からの残業代請求でも400万円、500万円の請求に上ることも少なくありません。

 

残業代請求は、まさに会社の経営を脅かす大きなリスクなのです。

 

施設系介護事業には変形労働時間制の導入を

変形労働時間性(1か月単位)とは、一定の期間(1か月)につき、1週間当たりの平均所定労働時間が法定労働時間を超えない範囲内で、1週間または1日の法定労働時間を超えて労働させることを可能とする制度です(労基法32条の2第1項)。1週40時間、1日8時間という法定労働時間の規制(労基法32条、36条)を弾力化し、業務の繁閑に応じた労働時間の配分を行うことによって労働時間を短縮すること等を目的とする制度です。

 

この制度を導入することによって、例えば夕方5時から翌朝9時までの夜間勤務の従業員について、休憩時間を除き所定労働時間を14時間とした場合に、本来であれば8時間の労働を超える6時間分の残業代が発生するところ、これを発生させないで済むことができることになります。

変形労働時間制導入の要件

ポイント
①就業規則に制度内容を定める
②単位期間内の各週・各日の所定労働時間を特定する

 

変形労働時間制を導入するためには、就業規則または労使協定において、単位期間を平均して1週間当たりの労働時間が週法定労働時間(40時間)を超えないように単位期間内の所定労働時間を定めることが必要となります。

 

この定めにおいては、単位期間内のどの週ないしどの日にそれぞれ40時間ないし8時間の法定労働時間を何時間超えるかを特定しなければなりません。そして、常時10人以上を使用する事業場においては、始業・終業時刻を就業規則において特定することが義務付けられているので(労基法89条1項)、結局のところ、就業規則において変形期間内の毎労働日の労働時間を始業・終業時刻とともに特定しなければならないことになります。

 

もっとも、この特定については、変形制の基本事項(変形期間、各勤務の始業終業時刻、各勤務の組み合わせの考え方、勤務割表の作成手続・周知方法など)を就業規則に定めておけば、各従業員の労働時間を1か月ごとの勤務割表(シフト表)によって特定することも認められています

変形労働時間制の注意点

①シフト表の作成は事前に
②一度作成したシフトは勝手に変更できない

 

勤務割表(シフト表)は、変形期間の開始前までに作成し、従業員に周知することが必要となります。

 

また、会社側が業務の都合によって任意に労働時間を変更できるような制度は、労働時間の特定を欠き、変形労働時間制としては認められません。もっとも、どんな場合にも変更できないというのも硬直すぎることから、恣意的変更を防止する規定を就業規則に整備すれば可能とも考えられています。

 

深夜業を含む交替制労働が行われている会社では広く導入されている印象のある変形労働時間制ですが、就業規則に具体的な変形制の基本事項(変形期間、上限、勤務パターンなど)を記載していなかったり、記載していてもシフト表を事前に作成していないなどを理由に効力を否定されることが多いため、制度の導入と実際の運用には注意が必要です。

 

愛知・名古屋で介護事業を営む企業がとるべき対応策

1 賃金制度の現状把握
まずは現在の社内規定類を確認して分析することが必要です。そもそも就業規則を整備していなかったり、整備していたとしても自社の実態に合わないネットから拾ったものを適当に使っている企業も多いのが実情です。各種手当の内容や趣旨、正社員とそれ以外の社員との区分など確認すべき事項は多岐にわたります

 

2 労働時間の実態を把握する
従業員の労働時間の実態を確認します。介護職は長時間労働が常ともいえる職種ですが、その就業実態を把握していない経営者の方も多いのが実情です。

 

3 適正な労働時間管理の実施
労働時間の管理を適切に行える体制を整えなければ、変形労働時間制度を有効に導入することはできません。また、深夜割増賃金等を含めた賃金総額にどの程度の資金を見込むべきかなどが分からないため、適正な労働時間管理を実施することは賃金制度の設計に不可欠な前提条件といえます。

 

4 財務会計・管理会計の分析
賃金はいくらまでの支払が可能なのか、そもそも今の賃金水準は妥当なのかを検討します。また、財務改善につながる賃金体系を構築するためにも、各種コストの内容と問題点を抽出し、たとえばコスト意識を高める仕組みを賃金制度の中に取り入れることなどを検討します。

 

5 賃金制度の設計
以上を踏まえて、自社に合う賃金制度の構築を目指します。設計の進め方は次のとおりです。
①財務分析から支払賃金の適正額を検討
②地域別最低賃金等から所定内賃金の水準と構成を検討
③労働時間の実態から、割増賃金必要支払額を検討
④職務内容からみたインセンティブを検討
⑤諸手当の内容、趣旨、支給基準を検討
⑥賃金シュミレーションの実施
⑦従業員への説明会又は個別説明
⑧就業規則、賃金規定等の改定

虎ノ門法律経済事務所名古屋支店による労務サポート

中小企業が自身だけで難解な労働法制を理解し、具体的な労働問題に対応し、あるいは賃金制度改革を実行していくことは簡単なことではありません。また、誤った理解に基づいて対応した結果、より大きなリスクを抱えてしまったという恐ろしいことも頻繁に起こっています。

 

そこで、虎ノ門法律経済事務所名古屋支店では、愛知・名古屋で介護事業を営む企業の皆様へ次のような労務支援サービスを提供しています。

 

(1)就業規則、賃金規定等のリーガルチェック
虎ノ門法律経済事務所名古屋支店では、就業規則や賃金規定などの各種社内規定について、リスクの有無や見直すべき事項をチェックし、これに対応する具体的なご助言をさせていただいております。これまで漠然と使用してきた就業規則等に対し正しい理解とリスクを把握することで、賃金規定の修正に向けた正しい1歩を踏み出すことが可能となります。

 

私弁護士古山雅則は、経営者側に立った経営労務に特化し、現在扱う業務のほとんどが労働法分野を中心とした企業に対する法律顧問業務で占められています。就業規則の整備をはじめとした予防法務についても労働問題に強い弁護士がお力になります

 

現在の就業規則の内容や労務管理への不安をお持ちの企業様は、虎ノ門法律経済事務所名古屋支店までご相談ください。

 

(2)賃金制度改革のコンサルティング支援

虎ノ門法律経済事務所名古屋支店では、法務・財務の両面から介護事業の企業向け賃金制度設計のためのコンサルティングサービスを提供しています。上記で説明した各ステップを踏んだ適切な賃金制度の設計を助言・支援し、就業規則の整備や従業員への説明までトータルでサポートいたします。

 

(3)未払い賃金、残業代請求の事前予防

未払い残業代請求の問題は、ときに数百万円から1000万円にも及ぶ大きな支払いをともなうリスクとなります。しかも、現行の制度を見直さない限り、何度も繰り返し起きる可能性を秘めています。

 

そのため、未払い残業代が発生しやすい制度となっているのであれば、これを見直し整備し直すことが将来のリスク予防のためには不可欠です。虎ノ門法律経済事務所名古屋支店では、変形労働時間制度をはじめとした残業代問題に対し豊富な経験、ノウハウがありますので、事件対応から予防法務まで適切なアドバイス、対応を行うことが可能です。
残業代請求問題等にご不安な企業様やお困りの企業様は、虎ノ門法律経済事務所名古屋支店までご相談ください。


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