会社の売上金を横領した社員から横領金の返還、合意退職をさせた事例

相談企業のエリア | 愛知県西部(名古屋市外) |
相談企業の業種 | 建築・リフォーム |
相談企業の従業員規模 | 20名程度 |
相談のジャンル | 問題社員対応 |
争点 | 横領した金銭の返還、解雇・退職 |
相談前の状況
建築・リフォーム事業を営むA社において、長年営業を担当していたB氏は、請求書や伝票を改竄するなどして売上金の一部を数年にわたって着服していました。これに気付いたA社の社長Cは、B氏を懲戒解雇するとともに、横領された金員約1000万円の支払を請求したいとして、当事務所にその対応を相談されました。
相談後の提案内容・解決方法
まずは横領の手口や金額を解明し、証拠を保全する必要があったことから、B氏を自宅待機とする命令を発することにしました。
一通りの調査を終えた後、弁護士同席のもと弁明の機会を設け、事実関係の確認をしました。当初、B氏は横領の事実を否定していましたが、関係書類を示しながら追及したところこれを認め、横領した金額を返金することを約させたうえ、合意退職となりました。
担当弁護士からの所感
横領は背信性の高い重大な非違行為ですので、本件は懲戒解雇をすることが可能な事案ではありました。
もっとも、会社としては、横領された金銭の返還を受けることも実利として重要な事項です。一刀両断に懲戒解雇処分をしてしまえば、その後本人と連絡が取れなくなり、横領された金銭の回収は困難となることが予想されます。また、数年来にわたり帳票等を巧みに改竄してなされた横領について、本人がそもそも横領の事実を否定する可能性もあり、しかも仮にそれを認めたとしても金額を過小に申告することも考えられ、それらを立証しながら回収していく道のりは長く困難となり得ます。
このため、本件では、横領した社員との面談を実施し、横領された金銭の回収を図ることを優先して話し合いの機会を設け、懲戒解雇ではなく合意退職という解決方針を取りました。その結果、早期に横領された金銭の回収を実現することができました。
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岐阜県出身。中央大学法科大学院卒業。経営者側に立った経営労務に特化し、現在扱う業務のほとんどが労働法分野を中心とした企業に対する法律顧問業務で占められている。分野を経営労務と中小企業法務に絞り、業務を集中特化することで培われたノウハウ・経験知に基づく法務の力で多くの企業の皆様の成長・発展に寄与する。