従業員に守秘義務と競業避止義務を誓約させた事例
相談企業のエリア | 愛知県名古屋市 |
相談企業の業種 | 製造業 |
相談企業の従業員規模 | 30名程度 |
相談のジャンル | 問題社員対応 |
争点 | 守秘義務及び競業避止義務 |
相談前の状況
A社の従業員Bは、A社を退職するにあたり、同業他社に転職することが伺われる行動をとっていました。従業員Bは、A社の営業課長としてA社の営業ノウハウや得意先情報を詳細に把握していたため、同業他社に転職した場合にはA社の営業機密を漏らすなどの損害を生じさせる恐れがありました。
このため、A社は従業員Bの同業他社への転職等を防ぎたいとして当事務所に対応を相談されました。
相談後の提案内容・解決方法
A社は入社時に従業員から守秘義務についての誓約書を取得していましたが、具体的なリスクが懸念される従業員については、退職時においても、内容をより具体化した秘密保持及び競業避止義務に関する誓約書を取得すべきといえます。
このため、A社役員には従業員Bとの面談を数度にわたって実施していただき、会社の意向を強く示すとともに従業員Bの理解を得て退職していただくこととなりました。
担当弁護士からの所感
入社時に秘密保持契約ないし競業避止義務についての誓約書を取得される企業は多いかと思います。もっとも、退職時にはそうした誓約について従業員側の意識は薄くなっている可能性が高く、また、入社時に交わす誓約書は一般的抽象的な内容にならざるを得ないため、義務の内容が広範で不明瞭な面が否定できず、法的効果も限定的になりがちです。
このため、実際に秘密を固く保持させ、あるいは同業他社への転職を抑止したいのであれば、退職時において、そうした義務の内容を具体的に記した秘密保持及び競業避止義務に関する誓約書を取得することが大切となります。
また、そうした誓約書の実効性を確保するためには、退職従業員と話し合いの場を持つことも重要となります。
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岐阜県出身。中央大学法科大学院卒業。経営者側に立った経営労務に特化し、現在扱う業務のほとんどが労働法分野を中心とした企業に対する法律顧問業務で占められている。分野を経営労務と中小企業法務に絞り、業務を集中特化することで培われたノウハウ・経験知に基づく法務の力で多くの企業の皆様の成長・発展に寄与する。