休業補償等の支払いを求めて団体交渉の申入れがなされた事例

問題社員対応団体交渉

 

相談企業のエリア 愛知県東部
相談企業の業種 運送業
相談企業の従業員規模 20名程度
相談のジャンル 問題社員対応、労働組合対応
争点 ハラスメントの有無等

 

相談前の状況

A社の従業員Bは、A社の役員Cから「バカ」「仕事ができない」などと暴言を浴びせられ、うつ状態になったなどと述べて欠勤するようになりました。A社がBに出社を求めたところ、会社の職場環境が原因で出勤できないとして休業補償の支払いを求めるとともに、役員Cの暴言等により精神的苦痛を被ったなどとして損害賠償を請求してきました。A社がBの要求を拒否すると、BはD労働組合(地域ユニオン)に加入し、D労働組合が同様の支払い等を求めて団体交渉の申入れをしてきました。

このため、A社は労働組合への対応について当事務所に相談されました。

 

相談後の提案内容・解決方法

事実関係を精査したところ、従業員Bには遅刻、欠勤等の問題行動があることが判明し、また、うつ症状があるとの訴えについても、発症それ自体に疑わしい点があり、また因果関係を特定することもできないものと判断しました。

このため、団体交渉の席上、D労働組合からの要求は真っ向から拒否しました。もっとも、従業員Bの態度、性格等を踏まえると、Bに退職していただくことが望ましいといえましたので、若干の解決金の支払いにより合意退職いただく形で解決をすることとなりました。

 

担当弁護士からの所感

本ケースのような場合、会社に対して賠償請求等の金銭の支払いを求めてくる従業員の真意は、往々にして退職することを前提に相応の金銭を取得することにあることが多いと感じています。

請求に全く理由がないことが明らかであれば全面的に拒否するという方針ももちろんあり得るところですが、会社側にも不利な事情がある場合には、リスクを排して早期解決を図る観点から和解をするという方針が望ましいこともあります。

 

本件では、役員Cが従業員Bに対して厳しい言葉を投げかけていたという点については争いがなく、Bがうつ状態にあるという診断書も証拠として出されていました。これだけで本当にうつ病を発症していると認めることはできませんし、因果関係も肯定できるものではありませんが、紛争としては長期化する可能性のある事情が見られました。また、何よりもA社としては、A社にとって不誠実で問題社員と考えるBとの雇用関係を継続することに対する強い嫌悪感や憤りが強く、解雇をすることは困難であるものの、一刻も早く関係を断ち切りたいという思いがありました。

こうしたことから、労働組合からの要求を拒否しつつ、この機会をとらえて従業員Bの退職というA社の望む結果を得る方針で対応し、最低限のわずかな解決金に留めた上で和解による解決を得ることができました。

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