働き方改革により正社員と業務委託社員の選択方式を採用した事例

相談企業のエリア | 愛知県 |
相談企業の業種 | サービス業 |
相談企業の従業員規模 | 30名程度 |
相談のジャンル | 働き方改革 |
争点 | 業務委託型社員の新設、副業の解禁等 |
相談前の状況
A社は、業界水準を上回る賃金を正社員に支払う一方で、勤務態度が不良な社員や能力が低い社員の処遇に悩んでいました。また、優秀な社員の離職防止のため、賃金以外の方法で従業員に魅力のある勤務制度を作りたいと考えていました。
そこで、当事務所に、「従業員の働かせ方」の改革についてご相談をされました。
相談後の提案内容・解決方法
A社は社員の能力にバラツキがあり、優秀な社員とそうでない社員との差がはっきりしていたこと、その一方で基本給主体の賃金体系であったため賃金の差をつけにくいなどの問題を抱えていました。他方で、A社はシフト制の勤務であったことに加え、専門性のある職務内容であったことから、副業にもなじむものといえました。
そこで、正社員のみという硬直的な社員類型の殻を破り、業務委託社員という新たな社員区分を創設することといたしました。業務委託社員は、「社員」という名称ではあるものの、業務委託に基づく個人事業主という位置づけになり、企業は社会保険料等の負担軽減を実現できます。また、業務委託料のランク付けにより、優秀な者とそうでない方への対価の支払いに差をつけることも容易となり、意欲のある者は副業(掛け持ち)によって更なる収入を得る途が開けるなど、社員にとっても非常にメリットのある働き方といえます。
担当弁護士からの所感
従前の雇用契約を一方的に解約・変更することはできませんので、業務委託社員(雇用契約ではなく業務委託契約)とするには当該社員の同意が必要となります。このため、社員区分の振り分けは従業員の自由選択とすることが基本です。
もっとも、魅力ある制度を設計することができれば、自由な働き方や収入のアップなどのメリットを感じて業務委託型社員を選択する従業員も多くいるものと思います。
現在の硬直的な雇用契約に成長の限界を感じている、あるいはより柔軟な働き方によって生産性を高めていきたいなどの問題意識をお持ちの企業様は、固定観念を破って新しい勤務制度の構築を検討されることをお勧めいたします。
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岐阜県出身。中央大学法科大学院卒業。経営者側に立った経営労務に特化し、現在扱う業務のほとんどが労働法分野を中心とした企業に対する法律顧問業務で占められている。分野を経営労務と中小企業法務に絞り、業務を集中特化することで培われたノウハウ・経験知に基づく法務の力で多くの企業の皆様の成長・発展に寄与する。