労働基準法改正等に適合した就業規則の改定を行った事例
相談企業のエリア | 東海 |
相談企業の業種 | 商社 |
相談企業の従業員規模 | 100名程度 |
相談のジャンル | 就業規則改定、法改正対応、働き方改革 |
争点 | 法改正対応、テレワーク導入 |
相談前の状況
A社はテレワークを積極的に行うなど柔軟な働き方を認めていますが、就業規則にはテレワークについての規定がありませんでした。また、長年の間就業規則の見直し等をしてこなかったため、労働基準法等の各種労働法規の改正に未対応のままとなっていました。
そこで、テレワーク規定の導入や法改正に対応した就業規則の改定作業を当事務所に依頼されました。
相談後の提案内容・解決方法
テレワーク規定を新たに整備しました。
また、育児介護休業法や年次有給休暇の付与義務化等の労働基準法改正への対応、そしてパワハラ防止法施行に合わせてハラスメント規定の整理・充実化を図るなど就業規則全般の改定作業を行いました。
担当弁護士からの所感
コロナ禍をきっかけにテレワークを実施するようになった企業は多いと思いますが、規定が未整備のまま走り出したという企業も少なくありません。業務上の指示・命令を円滑に行うことのできる体制を整備することや、始業・終業及び残業等の労務管理を適切に行うことができるよう、企業秩序を守るためのルール整備は必要不可欠といえます。
テレワークについては、自宅での就業を認める在宅勤務のみとするのか、サテライトオフィスを設けるのか、あるいは社員が希望する場所での自由なリモートワークまで認めるかなど、企業によって認める範囲は様々です。また、会社が指示・命令した場合にのみテレワークを実施するのか、社員による希望制とするのかなど制度設計はやはり様々です。労働時間の管理を曖昧にして社員に裁量的な自由を与えていた場合には、後に思わぬ未払残業代請求を受けるというリスクも考えられます。働き方の自由度が高まるテレワークですが、守るべきルールをしっかりと定めたうえで、生産性向上のためにどのような制度としていきたいか企業としての考え方を明確にし、自社にあったテレワーク制度を導入することが大切です。
また、労働法規の改正は頻繁に行われています。法改正を自社の就業規則見直しのきっかけにしていただき、実情に合っていない規定の改廃を含め就業規則を常にブラッシュアップしていくことが労務管理の質の向上につながります。
岐阜県出身。中央大学法科大学院卒業。経営者側に立った経営労務に特化し、現在扱う業務のほとんどが労働法分野を中心とした企業に対する法律顧問業務で占められている。分野を経営労務と中小企業法務に絞り、業務を集中特化することで培われたノウハウ・経験知に基づく法務の力で多くの企業の皆様の成長・発展に寄与する。